遭難、について

2006年の初演から6年。鶴屋南北戯曲賞を受賞した本谷有希子の代表作がついに再演!

再演を熱望されていた本谷流シリアスコメディが、全く新しいキャストで蘇ります。
本谷が原作を提供した映画『乱暴と待機』ではジャージとメガネのネガティブヒロインを演じた美波。
09年の舞台『来来来来来』以来、2度目の劇団、本谷有希子への参加となる佐津川愛美。
劇団『サンプル』を率いる、岸田戯曲賞作家にして俳優としても活躍する松井周、そして舞台も映像も抜群の個性と独特の存在感を光らせる片桐はいりと、本谷有希子ならではのキャストが揃いました。

6年の時を経て自らの作品と向かい合う本谷有希子の決意と、ポップで辛口なシリアスコメディを是非劇場で体感してください!

劇団、本谷有希子第11回公演「遭難、」(初演)

あらすじ

放課後の職員室。
教師達が談笑しているところへ一人の保護者がやってくる。
その保護者の息子は数週間前に自殺未遂をはかり今も意識不明の生徒で、母親はそれを担任の責任だと言い張り、こうして毎日学校に乗り込んでくるのだった。
「息子が書いた相談の手紙を隠蔽したはず」とつめ寄られ、本当に知らないと泣き出してしまう担任をかばうもう一人の教師だったが、実は人格者と評判の彼女こそ、誰にも知られてはならない秘密を隠しているのだった……。
いじめのせい? 教師のせい? 人格者と評判の女教師の裏の顔は―。責任転嫁と疑心暗鬼のスパイラルの果てに、「トラウマ語り」の欺瞞を鋭くえぐる、快感ブラックコメディ!