文:倉澤愛
   
  本谷有希子について


本谷有希子のこと
あまり良く知らないかもしれない
出会って一年と少し。2ヵ月に一度くらいは
飲みに行くけど
いつも一方的に電話をかけてくるのは
だいたい本谷に鬱の波が訪れた時なので
ハイテンションに弱っているイビツな本谷有希子と飲み。
心細げに強気な本谷と自慢話し合ったり、
ダメな自分話し合ったり、
誉め合ったり、けなし合ったりして。
更に朝まで踊りたいやら男共と合コンしたいやら
ダダをこねられる事もまま。
けどわりにあっさり帰ってゆくのです。
そして次の日心配して電話しても留守電。
こちらが落ち込んでいる時 電話しても
なおさら留守電。
もう あきらめました。
もう 決めました   あなたが男に見える
眠れぬ私は夜のような朝 散歩します。
眠りすぎるあなたは精神科。
来たい時 来ればいいさ
甘えたい時 甘えればいいさ
はしゃいで落ちて 笑えばいいさ


そんな、いきなり「笑えばいいさ」って言われても。つうか「はしゃいで落ちる」って物凄く駄目じゃんか。そんな過酷な状況の中で、あたし笑えないよ。一行前までは優しいのにどうして落とすの?甘えて終わらせてよ。はしゃいで終わらせてよ。もー頼むぜ、倉澤ちゃん。うーん、しかしこの文章。掴めねえ。さすがはツワモノな役者10人の中でも、群を抜いたミステリアスガール。峰不二子ガール。そりゃ鬱なあたしが「いい男呼んで」って言った10分後に知り合いのホスト用意するわ。「朝まで踊る」って言った時にタクシーで六本木の外人しかおらん怖いクラブに連れて行くわ。知ってた?あなたが格好いいイギリス人とコロナ片手に踊ってたあの時、もとちん、便所ででっかい黒人に犯されそうになってたんだよ?「カハラトモミ。カハラトモミデ」って訳の分からんこと言われてたんだよ?
 
   
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