――対談第２弾は俳優座の森尾舞さんと阿佐ヶ谷スパイダースから客演して頂いている伊達さんにお願いします。

（森尾・伊達）お願いします。

――お二人とも劇団、本谷には初出演と言うことで，本谷の演出とか稽古場の印象をお聞かせ下さい。

（伊達）的確で分かりやすいのと、それぞれの役者さんにどんな風に言ったらいいかっていうのを探りながら上手くやってるなぁと思う。しばらくほっといて良いような人はほっといてるだろうし、 グズグズな所はそのままほっといてもらって。

ーー森尾さんはどうですか？

（森尾）まず、現代劇をやるっていうのがあまりないので久し振りなのと、こういう役をふられた事がないので。新鮮です。

（伊達）そうなの？

――すごい馴染んでますけど。

（森尾）えぇ、ひどくないですか？（笑）実は、初演の時も澄伽さんをやってくれって言われたんだけど、仕事があるので出来ませんっていう話をして。でも再演の時にまた澄伽さんをって言われたからやっぱあれやるんだっていう。

――よっぽど澄伽さんのイメージなんですね。

（森尾）私、初演の稽古場見てあれはなぁって。

――今までどういうのやっきたんですか、俳優座では。

（森尾）俳優座では、山田太一さんの作品が現代劇で初めての本公演で、その後は時代劇とかですね。

（伊達）着物着て？

（森尾）はい，カツラかぶって。

――伊達さんはそういうのでは色々やってますね。

（伊達）自分の所ではけっこう。

――お二人は今回、長男と長女って兄妹の設定ですよね。お二人だけのシーンがちょくちょくありますけど、やっててどうですか？

（伊達）覚えてないなぁ。

（森尾）覚えてないなぁ（笑）

（伊達）まだまだこれからなんだけどね、たどり着く所はもうなんとなく台本読んだ時から見えてて、ドロドロしてるとか、色んなモノが。

――そうですね、すごい複雑な感情が渦巻いてますからね。

（伊達）逆に行きすぎちゃってもいいかなって思ったりもしてて。芝居を見世物にする時にさ、小奇麗にまとめるじゃん、見やすいように。でも今回はある部分「あれ」？って思わせてもいいのかなって。

（伊達）違和感のある完成したものっていうか、完成しきらずにはみ出ちゃってるものを見せられたら良いかなと思うんだけど。

（森尾）私なんて自分の事で精一杯。本当にこういう役って回って来た事が無いから、役作りのために色んな人に、人いじめる時ってどうするんですか？とか、どうやっていじめるのが一番効果的ですか？って聞いてみたりとか。

――今回は自分の新たなとこを開拓してるみたいな感じですか？

（森尾）新たなっていうか，多分こっちの方が自分に近いんだけど役を振られて来なかった。こっち側だろうなって薄々感づいてはいたんだけど，、汲み取ってくれる人がいなかったっていう。

――今回汲み取られちゃって。

（森尾）でも今は役をつかみきれてなくて一番気持ち悪い時期ですね、稽古してて。

――なんか自分とリンクしてないみたいな。

（森尾）なんだろこれみたいな。でも時間もね，まだまだありますよね。

（伊達）まだまだ、時間？まだまだ。

（森尾）あるんだ、あるのかな、あるか。

―ー稽古場の雰囲気はどうですか？

（伊達）自分のとこだと稽古場で楽しそうにしてるっていうのは仕事の内って決めてるんだけど、今回は客演だから楽しくするのは本谷の仕事。

（森尾）へー 。

（伊達）自分のとこは客演さんいつも呼ぶから、客演さんが楽しく稽古場にいれるように。

（森尾）へーそう言う事が出来るんだ、伊達さん。

（伊達）出来る出来る。

（森尾）大人だなぁー。

――じゃあ今日の稽古でやったゲームもあんなに楽しんでたけど、あれも楽しんでる伊達さんを演じ･･･。

（伊達）あれは普通、あれは素。

――ふー。よかったぁ。そうだ、伊達さん。風邪をひいてるって事で心配なんですけど。

（森尾）大丈夫ですか？元気ですか？

（伊達）元気だよ。

（森尾）熱があったんですか？

（伊達）昨日ね。

（森尾）今のうち風邪ひいた方が良いですよ。私本番風邪ひくと思う。

――やだ、やめてくださいよ。

（森尾）毎回そうなんだよ、本番迎えた、やった！って風邪ひくんだよね。だめだよね？

――だめですよ。