――まず、今回劇団、本谷に初出演される菅原さんに。本谷の演出についての印象をお願い致します。

（菅）わりとなんかそのー自分の考えがすごく細かい所までありますよね。キャラクター設定とかに関しても。あのー小説を書かれてるって言う事で、（※「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」小説版。劇場でも発売予定）書くときに、色んな事を考えながら書いてるって言う話しをして、まぁだからその彼女がイメージしてる役に我々がどれだけ近付いて行くのかって言う所が、難しいなぁと。

――菅原さんは、猫のホテルという劇団にいらっしゃいますけど、そこでは自由度の高い中でやってるんですか。

（菅）そうですね、わりとそのー役者が色んなキャラとかを出して、それを拾ってってもらう感じですね。だからこうやって動いてこっちに移動して台詞を言うとかって事は、そんなにはうちの劇団ではやっていない事なので。でも多分最終的な到達点と言うもの、変わらないと思うんで。そのー彼女のイメージに近付いてった上で色々出してくのは多分問題無いと思うんで。

――そうですね、最初に完成形に向かって行って、その後いっぱい遊んでもらって。

（菅）そうですね、はい。

――楽しみにしております。

（菅）いやいや、とんでもないです、頑張ります（笑）

―― で、吉本さんは前回の「石川県伍参市」から続いての出演ですけど本谷の演出や作風はどうですか？

（吉）ああ、でも再演って言う事で、本谷のイメージが稽古に入る前から凄い具体的で、小説にも書いた訳だからもう凄い構築された世界があってって言うのが前と違うなと。

――吉本さんも自由度があったほうが自分の芽が出て来るんじゃないですか？

（吉）私、でも、でも、なんだろう、全部フリーとか全部自由にやらせてもらうって感じだと、いっつも大体似たようなキャラが出がちだから。

――今回は本谷さんも言ってたけど、役者さんそれぞれの持ち味をあえて封じて、その上で出てくる良い物を舞台に乗せたいという狙いもあって。まあまあでも、遊ぶ余裕は今後いっぱい出てくると思うのでそこでお願い致します。お二人って共演は初めてなんですか？

（菅）無いですね、今まで一回も。

――面識は？

（菅）面識はそうですね、猫ホテの稽古場に遊びにいらっしゃいましたよね。
（吉）そうそう、猫ホテのそれがすっごい面白かったの。
（吉）なんかその日ちょうど千葉さん（※猫のホテル主宰・千葉雅子さん）が、新しい本を書いてきたからそのシーンを作りましょうって言って、一回みんなで本読みしてて、じゃあ次立ってやりましょうって言ったら、本から全くかけ離れた事をやり始めてて、役者さん達が。
（菅）そうですね。みんなとりあえずなんか出して下さいって感じでボロボロボロボロなんか出してくって感じで。でも今回みたいなこういう現場も凄い新鮮ですね。ただその、わりと今回やる役とかも、そんなにその、なんだろ、やった事ないって感じではないんですよ。だからそのジャンルの中でもやった事ないやつをこう選んで、まあでも本谷さんのイメージに近付くように。昨日電車の中で話したんですけど。
（吉）あ、なんかね、言ってましたね。
（菅）そうそうそう。たまたま帰りが一緒になって、まあ最終的にはお互い凄く清々しい気持ちになって帰りました（笑）
（吉）あーそうなんだ、よかったじゃん（笑）
（菅）そうだね。
（吉）じゃあ昨日飲みに行ったりしなくてホントによかったね。 菅原さんも飲み好きって聞いた。
（菅）僕もう、毎日必ず飲みますよ、でも1年に2回か３回飲まない日があるんです。
（吉）え、どういう時どういう時？
（菅）寝ちゃったとか。
（吉）ああ、ああ、飲まないぞって決めた訳じゃなくて。
（菅）横になってそのまま。
（吉）あーたまたま？
（菅）そう、それが昨日だったんですよ。
（吉）ああ、ああ本当に？！
（菅）昨日1滴も飲んでない。だから今すごい健康な状態。
（吉）あーいいっすねー。

――こないだいも菅原さんのお誕生日っていう事で、稽古後にささやかーなパーティをしましたよね。まあ、単なる飲みっていう噂もありますが。

（菅）いえいえ、あれ位で十分ですよ。
（吉）本谷がパーティ用に台本書いてきて、みたいな計画もあったんだけどね。

――ちょっと楽しい打ち合わせがあったんですけどね。

（菅）いやいや。本当十分、本当僕、嬉しい気持ちです。
（吉）女子全員とラブシーンをしようとか。
（菅）多分１つもないですもんね。

――お二人は円形の舞台ってやった事あるんでしたっけ？

（菅）無いです。あります？
（吉）円形の劇場自体はあるんだけれども、こう普通の舞台にしちゃってたから四方って言うか三方から見られるみたいな事は無いです。

――四方から見られる舞台だと、役者さんにとっては意識の仕方が変わってくるんですか？

（菅）なんか、本当に、ちょっと、分かりやすい例で言うと後ろ向きの人が面白い顔ししても多分見えないじゃないですか。良い顔してても。まあ背中で演じることが出来るといいと思います。
（吉）そう。だから私真後ろ向く所とかも、なんか、なんかすごい、お客さんこっちにもいるしっていう。力抜けない間があるなって言う。でもねー、どうしてもこうなんか正面向く芝居が… 。
（菅）多くなっちゃうね。

――そうですね、演出も正面からしてますしね。

（菅）でも正面向いてたらわりと横のお客さんは横顔は見えるし、斜めのお客さんもまあ見えるし、一番見やすいんじゃないかな。

――今回お二人だけのシーンはどうですか？

（吉）じーっと目が合ってるのが面白くて、これね、笑わない様にするのが大変。
（菅）いやいや、こちらこそ。
（吉）たまに台詞を忘れてる間なのか本当の間なのかわかんなくて（笑）。
（菅）あー、忘れてる所と忘れてない所と同じにしないと。

――ばれちゃうからね。

（吉）得だなぁ、忘れても。

――二人と雰囲気を作り出せる役者さんだから、その二人が舞台上に乗ってる図っていうのは見てる方としてはすごい嬉しい。

（菅）なんとか、良かったって言う意見がね、出ると良いですね。あそこがなーとかね、言われないようにしないと。
（吉）ね。

――あと本番まで２週間ですけど、これからの意気込みを聞かせて下さいな。

（菅）呼んで良かったなと思われるように、そして出てちょっと良かったんじゃないのって思えるように。なんかね、成功さしたいっていう。色んな人に見てもらいたいな。
（吉）そうだねー。 なんか新しいモノがね、2,3週間で探せればなって。

――女優としてもう１歩進もうと。

（吉）なんかね、結構やっぱりすごいある意味かわいい役だから、もったいない事にならないように。
（菅）かわいい役だよね、一途な。
（吉）えー。菅原さんの役も本当に可愛い。
（菅）いや、そんなこと。吉本さんの役はすごい可愛い役ですよね。

――やめましょうか。この辺の気持ち悪い誉め合いで。