劇団、本谷有希子 第一回公演
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』
あらすじ (和合家の居間も見たってくっさい。→こちらですわ。)
日本のどこか、とある工業地帯にある町でのできごと・・・・・・。
町は代々の地主である和合家が経営する工場によって雇用を確保することで成り立っている。
物語は葬式の日、和合家の茶の間で幕を開ける。
母は通りに飛び出した猫を助けようとし、父はその母をかばおうとしてダンプカーに撥ねられる。即死。
その事故の様子を目撃していたのは次女・イネコ。
猫は自力でダンプを避けました!
長男・シンジは落ち着かない。喪主だから? それもある。が。
葬式には動物愛護団体支部長の西島さんも出席。猫を助けようとした母・キヨミの勇気ある行動に感銘を受けたので、駅前の広場に銅像を建てたいと申し出る。もちろん断るシンジ。
お、お兄ちゃん・・・・・・お、お姉ちゃん、今日帰ってくるって本当?
本当。両親の葬式ともなれば、そりゃあ帰ってくるでしょう? 長女・スミコは女優を志し東京に出て以来、三年間帰郷していなかったのだ。
帰郷する姉を、異常に恐れるイネコ。何か理由がありそうだ。
またあの苛められる日々が始まる。
シンジの嫁・マチコは嫁いできてまだ間もないので、イネコの怯える理由がわからない。そんなマチコにシンジは和合家の掟、そして三年前のある陰惨な事件について語る。
スミコの帰郷により和合家の掟が、復活。
掟その1:スミコの間違いを決して訂正するな。
掟その2:イネコは放っておけ。
掟その3:シンジに口答えするな。
『ド不幸スミコちゃん!』
父親宛に届く通販の小包。中身は藁人形。何かの間違いでしょうね。
夏休みが始まる。
バイト先が一緒の高校生・富木ヨシオがイネコを迎えに来る。ヨシオは夏休みを利用して三年ぶりに、この町の祖母の家に泊まりに来ている。
ヨシオはとっても個性的な男の子。っつーか、ウザイ! でもイネコのことが好き! だからこそウザイ! そして東京に帰るまでにイネコと一夏の体験を・・・・・・したい!
家族に隠れ、どこかに電話しているイネコ/どういうわけか文通を始めるスミコ/決してマチコを抱かないシンジ・・・・・・和合家の人々には、とても人には言えないような秘密が、まだまだありそうだ!
他方、町の青年団は村興しのため、祭りを計画!
その名も「シッシー祭り」! 村の奥深くの湖に怪獣が出現するという噂を根拠に、テレビ局の取材までセッティング!
ああ、悲劇は繰り返してしまうのだろうか、三年前のように。
そして最後に全てのつじつまが合うことになっている。