本谷有希子の現実報告 〜『F・F』終了編〜


(朝礼台の上に立ち)終わった。またも終わりました。気付けば秋も深しです。
うん、お疲れ様でした(全校生徒に向かって校長の気持ちで礼)。
前回の現実報告では公演の出来の点数とか付けたりしてかなり潔悪かったから、 今回はとりあえずそういうの一切無し。役者やスタッフや観客席がいいコンディションに持っていけないのも実力として、観に来てくださった皆さんはありのまま評価を なさって下さい。同じお金払ったんだものね。大人になったね、もとちん。

『FF』終わって思ったことは。アンケートに「(芝居に)悲観的なメッセージばっかり」と書かれてたものがあってちょっと悲しかったってことさ。あたし的には超ポジティブなこと書いてたつもりだったから。実は今回の話は、ちょっと前に野猿のコンサート帰りに「生きてる理由が分かりません」ってメモ残して飛び降り自殺した女子高生二人がいたじゃない?その事件に触発されて書いたものだったのです。で、じゃあFFがなんでポジティブかとかは今となっては理解されなくていいんだけど、分かった人だけでいいんだけど、とにかくすんごい究極に楽観的なとこに自分としては持ってったつもりだったから、だから「おう!もとちん、偉いな!」って誉めてほしかったのよ!頭いっぱいグリグリしてほしかった!なのに。あ〜ん、よりによって真逆に受け取られちゃうのか。・・・・まだ自分に客観性が足りないことを、演出力の甘さをヒシヒシと痛感。でも。でもね。よく分かんないけど要するに野猿のコンサートの帰りに生きてる意味とか探しちゃだみだーってことさ。そら誰でも見つかんないよ。念のためにもっかい書くけど野猿のコンサートの帰りに生きてる意味とか探しちゃだ!み!だー!ってことだったのさ!わ、文にすると楽だな。あ、誰だ!今「じゃあ芝居で2時間もやんなくていいじゃん」って思った奴は!出て来い!その通りじゃないか、ちくしょ。・・・・ま、そんなことはもう済んだ話なので、とりあえずもういいでしょう。いいよ。「いいわ」って微笑んでおくれよ。
そんじゃ改めてここで謝罪です↓


開演時間が定刻通りにいかなかったことをスタッフ一同、心よりお詫びいたします。


本当にごめんなさい。ご迷惑をお掛けしました。最悪やね、本当に。
そして芝居のテイストが「HPのイメージと大分違う!」と驚かれた方もごめんね。
いや、でもこれはなー、今回こういう超テーマありありっぽい、きちんとしたのやりたいって思ってやったから。二回公演の「死ぬ気ね」のテーマの無さの反動だから。逆に次回公演で『FF』みたいな感じのを期待されて観に来られても「違う!」ってなると思うし、ね。・・・・難しいぬ。結局はあたしのその時やりたいことしか出来ないぬ。早くオールラウンドに物事を見れる人間になりたいなあ。憧れるね、あたしはオールラウンダーに。しても公演中は制作さんとかにいっぱい怒られたよ。「本谷!もっとちゃんと堂々と挨拶して!立ってて!邪魔!」って。
・・・・だってさあー、怖いんだもん。落ち着かないんだもん。ウロチョロするよ。ウロチョロしてみんなの邪魔になるよ。演出って本番始まると割とすることないの。「お弁当食べてて・・・いい?」の一言が言えないのね。「このお茶もらって・・・いい?」の一言が聞けないのね。おう!みんな忙しそうでいいねえー。頑張っちょるねえー。ってこう、工場を見回る社長みたいな気分に浸るのもずっとじゃ飽きるし。


あー、でも終わった後は恒例になりつつある?井の頭公園にボートに乗りに行きました。
自分でもよく分かんないんだけど、なんか乗りたくなるんだよな、一人でボート。いちゃいちゃしてるカップルの間を縫ってすんげー早く漕ぐの。何周もすんの、あほみたいに。
「一人がんばっていきまっしょい」みたいに。うん、でもとりあえず今はごちゃごちゃと終わらせなければいけないこととかもあって、それが整理ついたら、またちゃんと日記も書く。小説も書く。楽しみにしててちょんだい。あ!こないだ偶然ウッチャンとふかわりょうとさま〜ずとおさる見た!なんでだろう?なんかあんまり何も思わなかったな。
もっと「うお!」ってなると思ったのに。現実ってそんなもんか。



2001年10月  本谷有希子


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